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『The Great Race』試訳

作品その他
08 /27 2016
 本国で先日正式に配信された長編『The Great Race』(邦題『走れ! 世界のなかまたち』)の全編を稚拙ながら試訳いたしました。英語が不得意な方は参考までにどうぞ。
 とは言えあくまで試訳ですし、主に字幕ではなく音声を基にして訳したため不十分な点も多いでしょう。英語が得意な方は誤りや不足などがありましたらご指摘いただければ幸いです。随時修正していこうと思います。
 なお今回は基本的に、原語版の映像に合わせて台詞を読んだ場合に台詞の長さがおよそ映像と一致するよう設定してありますので、実際の邦訳版ではここで示したものより全体的に台詞が長くなることが予想されます。また、聞き取りづらい台詞や、原語版と日本語版とで発音が殆ど変わらないであろう感嘆詞については一部省略した箇所もございます。ご了承ください。
 言うまでもないことですがネタバレを含みます。

追記(2016/9/3):誤り等を一部修正しました。
追記(2016/9/10):誤り等を一部修正しました。
追記(2016/9/12):誤り等を一部修正しました。
追記(2016/10/1):キャラクター名の表記を一部修正しました。



 ソドー島は素晴らしく晴れた一日を迎えていた。トーマスは普通列車を牽いている。ナップフォードからヴィカーズタウンまで、本線の全ての駅に停まる各駅停車だ。
(トーマスがケルスソープ・ロード駅を発車)
(汽笛)
アニー「クララベル、今のは……」
クララベル「駄目! ……す、凄くいい日ねアニー。鳥の、さえずりが聞こえない?」
アニー「そう、鳥よね! チュン、チュン、チュンチュンチュン……」
トーマス「二人とも何をお喋りしてるんだい? 何にも聞こえな……」
(ゴードンの汽笛)
トーマス「……ゴードンだ!」
アニー「駄目よトーマス、やめて!」
クララベル「急ぐ必要はないわ!」
アニー「これは普通列車なのよ!」
トーマス「次の信号所までならいいだろう? 先に通過した方が、優勝者だ!」
(トーマスが加速)
トーマス「さあ、内側のレーンを走るのはトーマスです! みんな大好き一番の小さなタンク機関車、彼が挑むは……」
ゴードン「急行列車のお通りだ!」
トーマス「……ティドマスの大きな青い怪物……ゴードン! ……小さなタンク機関車トーマスのピストンは止まりません! 全速前進! トーマスは信号所に向かって突っ走り、見事勝利! ……勝った、僕の勝ちだ! 残念だったねゴードン!」

 トーマスはまだまだスピードを上げて走り、ヴィカーズタウンにある大きな駅に到着した。ここはソドー島における本線の終着駅だ。
(トーマスが停車)
トーマス「いつかこの駅を通過して、橋を越えてまたメインランドに行ってみたいなぁ」
クララベル「今日は駄目よ、トーマス。ここが列車の終点なんだから」
(見知らぬ機関車が入構)
トーマス「炭水車が二台も、一体誰だろう?」
(機関車が停車)
トーマス「こんにちは、向こうの鉄道から来たの? 僕もメインランドで造られたんだ。ずっと前に一度、他の有名な機関車達と一緒に里帰りしたことがあるんだけど」
フライング・スコッツマン「そうなのかい。ソドー島に有名な機関車がいるとは知らなかったな。……おや、やあゴードン」
トーマス「二人は知り合いなの……」
ゴードン「ああトーマス、俺達は知り合いだ。こいつは俺の兄弟で、フライング・スコッツマンと呼ばれてる」
フライング・スコッツマン「その通りさ。その名前の方が有名に聞こえるだろう? ……ゴードン、君に知らせたいことがあってね。俺はメインランドで開催される万国鉄道ショーに招待されたんだ。レースに参加するのさ」
トーマス「万国鉄道ショー?  それ何だい?」
フライング・スコッツマン「万国鉄道ショーでは、機関車の中で誰が一番速いかとか一番力持ちかとかを競うんだ。でも、ソドー島から参加する機関車はいないかもなぁ」
ゴードン「俺は絶対に行くもんか。メインランドがどんなに楽しいかいつも自慢しまくっているお前みたいな奴ばかりいる所にはな」
トーマス「ねえ、僕は行きたいな!」
フライング・スコッツマン「そうだろうな、トーマス。運が良ければ、きっと君も行けるさ。……フライング・スコッツマンのお通りだ!」

トーマス「ほら、見てよ!万国鉄道ショーだって!」
ダック「これは凄いぞ! 何て素晴らしい!
    メインランドに行きたいな」
スタンリー&エドワード&ノーマン「トップハム・ハット卿 お願いです」
四台「僕を連れてってくれますか?」

ヘンリー「重い列車でもお任せ
      パワーは誰にも負けません!」
ゴードン「お忘れですか? ここには
      急行用機関車がおりません!」
トップハム・ハット卿「確かに!」
ゴードン「ただし、俺を除いてですよ?」
フィリップ「僕ちゃんとっても小さいけど凄いんです
       競争だったらゴードンにも負けないよ」
ディーゼル「お待ちください 誰よりも優秀な
       最新型ディーゼルと言えば この俺でしょう!」

エミリー&パーシー&シドニー「凄いぞ! 何て素晴らしい!
                    メインランドに行きたいな」
チャーリー&スクラフ&スタフォード「トップハム・ハット卿 お願いです!」
ジェームス「僕を連れてってくださいな」
ベル&フリン「速い列車!」
デイジー&ヘンリー「長い列車!」
ビル&ベン&マリオン&ティモシー「働き者!」
ピーター・サム&レニアス&サー・ハンデル&スカーロイ「力持ち!」
ソルティー&パクストン&ポーター「誰もが行きたがってるよ」
クランキー「俺は行けないけどな」
レックス&バート&マイク&オリバー「僕らを連れてってくれますか?」
スティーブン「凄いぞ! 何て素晴らしい!」
ドナルド&ダグラス&ダック「客車も貨車も牽かずに!
                  トップハム・ハット卿 お願いです!」
一同「僕ら(俺・私)を連れてってくださいな
    どうか連れてってくださいな」
トーマス「僕をどうか連れてってくださいな」
ゴードン「トーマス、トップハム・ハット卿がお前みたいに小さなタンク機関車を、万国鉄道ショーに連れて行くはずないだろう!」
トップハム・ハット卿「誰を参加させるかはまだ決めていないよ。いずれにせよ、何台かには島に残ってもらわなければ。我々には、この鉄道での仕事があるんだからな。……聞いていたかね? 我々には、ここでの仕事があるんだ」
ヘンリー「すみません」
ディーゼル「分かりました」
ジェームス「すぐに向かいます」

(ナップフォード操車場)
パーシー「ラララ連れてってくださいな」
トーマス「鉄道ショーに出る機関車の中の誰にも負けない特技が僕にはあるんだ」
パーシー「何だい、トーマス?」
トーマス「操車場で貨車を入れ換えることさ。……『何台かには島に残ってもらわなければ』! べらべらべらべら……『この鉄道での仕事があるんだからな』!」
(パーシーが笑う)
パーシー「トーマス、君はとっても入れ換えをするのが上手だよ」
トーマス「ありがとう、でもパーシー、それより僕は鉄道ショーに行きたいんだ」
(フィリップが停車)
フィリップ「本当に行きたいならね、とにかく全力でやればいいんだよ。それで僕ちゃんはゴードンに勝ったんだ。自分の線路をよく見て……」
ゴードン(想像)「行け!」
フィリップ「そして競争がスタート!」
(フィリップが発車)
フィリップ「……キキーッ! ……ゴードンぐらい大きくて速くても、僕ちゃんを捕まえられなかったんだ」
パーシー「それは君が一人で走り出したからだよ。ゴードンは競争すらしてなかったもん」
フィリップ「そのことを言うのはよしてほしいな。そこじゃなくて、大事なのは、全力でやりさえすればどんなことでもできるってことだよ。トーマス」
(フィリップが発車)
(衝突音)
フィリップ「……おっと! ごめんよ!」

 翌朝、トーマスは上機嫌で仕事に出た。
トーマス「確かにフィリップの言う通りだ。もしフライング・スコッツマンと同じくらい速く走れたら、きっとどんなことでもできる。トップハム・ハット卿もショーに連れて行ってくれるはずだ!」
アニー「フライング・スコッツマンと同じくらい速くなんて……」
ケイトリン「こんにちは、トーマス!」
(ケイトリンが通過)
トーマス「……ケイトリンだ! もしケイトリンみたいに流線形になれたら? 流線形になればもっと速く走れるぞ!」
アニー&クララベル「お馬鹿なトーマス!」
クララベル「流線形になろうだなんて……」
(トーマスが加速)
トーマス「僕が欲しいものはそう
      スマートで速くてピカピカの
      最高の姿さ……
      流線形!

      ビューン! 誰もが振り向く
      ビューン! みんな目を疑う
      ビューン! 駆け抜ける僕は
      青い稲妻さ!

      一つ改造をお願いするよ
      タンク機関車はとにかく不便
      変身しちゃおう……
      流線形!

      凄いや!
      完璧!

      ビューン! 誰もが振り向く
      ビューン! みんな目を疑う
      ビューン! 駆け抜ける僕は
      青い稲妻さ!」
アニー&クララベル「ゴー トーマス ゴー
             ゴー トーマス ゴー」
トーマス「僕が欲しいものはそう
      みんなが思わず立ち止まって
      びっくり眺めてる」
アニー&クララベル「ゴー トーマス ゴー」
トーマス「華麗なボディと」
アニー&クララベル「ゴー トーマス ゴー」
トーマス「スピードが自慢の……」
アニー&クララベル「ゴー トーマス ゴー」
トーマス「流線形!」

(トーマスがナップフォード駅に再停車)
トーマス「……ごめんなさい。さっきはスピードの出しすぎだったかも」
トップハム・ハット卿「ああトーマス、君は全く……」
トーマス「でもいいアイデアがあるんです! もしも機関車、例えば僕とか……をソドー整備工場で流線形にしてもらえば、きっと万国鉄道ショーで競争に勝つことができますよ!」
トップハム・ハット卿「それは……実に素晴らしいアイデアだな、トーマス!」
アニー「でも、本気でそうするんですか?」
トップハム・ハット卿「ああ勿論だとも、アニー。トーマスの言う通りだよ。流線形になれば……ゴードンはもっと速く走ることができる! そう思うだろう? ゴードン」

 どんなにみんなが興奮していても、仕事は続けなくてはならない。ブレンダムの港は相変わらず忙しかった。
クランキー「よーし、ディーゼル。これまた大きな木箱だな。こいつはどうだい」
ディーゼル「いや、そいつは止してくれクランキー。よく選びたいな。……それだ、そう! そいつだよ!」
クランキー「ところで、この木箱を何に使うつもりなんだ?」
ディーゼル「何だろうとお前さんには関係ないね。びっくり計画だからな!」
クランキー「やれやれ……」
(トーマスが停車)
クランキー「一体どうしたんだ」
トーマス「鉄道ショーに行くための素晴らしいアイデアを思い付いたのに、トップハム・ハット卿は僕を流線形にしてくれなかった」
(クランキーが笑う)
クランキー「トーマス、そりゃ傑作だな。流線形のタンク機関車ときたか!」
トーマス「そんなに可笑しくないよクランキー!」
(船の警笛)
(見知らぬ機関車達が上陸)
アシマ「ここでは知らないものばかりだわ!」
アクセル「やあやあ、Bonjour(フランス語で『こんにちは』)!」
ジーナ「行くわよ!」
主任「おい、止まれ! 待つんだ!」
(主任の笛)
(アクセルが停車)
ヴィニー「気を付けろ!」
主任「どこに行くつもりなんだ!」
アクセル「万国鉄道ショーに決まってるでしょう!」
主任「ショーが行われるのはここじゃなく、メインランドだ! ここはソドー島だぞ!」
アクセル「De Eiland(オランダ語で『島』)……ありゃ。間違いだとさ!」
ジーナ「全員、船に戻って!」
フリーダ「あらまあ……」
ラウル「バックだ、バック!」
アシマ「今行くわ!待って!」
トーマス「万国鉄道ショーだって? 君達、本当に鉄道ショーに……」
(ヴィニーの汽笛)
ヴィニー「線路を空けろ! ちゃんと前見て走りやがれ、チビ助め!」
トーマス「バックで走る奴に言われたくないね」
(機関車達が乗船)
トーマス「……僕も一緒に連れてってよ! もう一台ぐらい乗れるだろう?」
(船が出港)
ジーナ「ねえ、誰か忘れてない?」
(一台の機関車がトーマスに衝突)
トーマス「うわ、落ちる! 助けて〜!」
ソルティー&ポーター「トーマス!」
トーマス「助けて!」
(作業員が機関車とトーマスを連結)
作業員「引っ張ってくれ!」
(機関車がトーマスを救助)
ソルティー「やったぞ!」
ポーター「凄いなぁ!」
トーマス「全く君達は一体何なのさ? 人の線路を我が物顔で走って。大体、君は何がそんなに特別なんだい? どこが他の機関車よりも凄……」
アシマ「……本当にごめんなさい。あなたを突き飛ばすつもりはなかったの。あなたの姿がよく見えなくて……」
ソルティー「……助けてくれてありがとう。僕はトーマス、君の名前は?」
トーマス「ソルティー!」
ソルティー「馬鹿言うなよ、トーマス。彼女の名前がソルティーなわけないだろう? そいつはおいらの名前だ」
(アシマが笑う)
アシマ「私の名前はアシマよ」
トーマス「えっと……つまり……その……ここでじっとしてるわけにはいかないんだ!」
ポーター「トーマス!」
(トーマスがポーターに衝突)
トーマス「僕らにはここでの仕事があるのさ!」

 間もなくトーマスは操車場に戻り、再び貨車の入れ換えをした。
パーシー「どうして彼女は君を港から突き落とそうとしたのかな?」
トーマス「知らないよ、パーシー。きっと僕に焼き餅を焼いてたんだ。……それか、すごく押しの強い機関車だからかもね」
パーシー「でも、それなら、どうして君を助けたんだい?」
トーマス「僕に聞くなよ、パーシー。彼女のことは何も知らないんだ」
(フィリップが停車)
フィリップ「彼女には近付かない方がいいと思うよ、トーマス。ああいう機関車は何と言っても厄介だからね」

 だがその日の午後、トーマスが普通列車としてアニーとクララベルを牽いていると……。
トーマス「ああ、もう……また彼女だ」
アシマ「トーマス! トーマス!」
(アシマがケルスソープ・ロード駅に停車)
アシマ「また会えたわね」
トーマス「やあ。万国鉄道ショーに行くんじゃなかったの」
アシマ「そのつもりだったけど、船が行っちゃって。線路での行き方が分からないのよ」
アニー&クララベル「トーマスは鉄道ショーに行きたがってるの!」
アニー「あなたと一緒に行ったらいいわ」
トーマス「いや……それはちょっとどうかな、アニー。僕は多分行かないと思う。……僕以外で一緒に行く機関車を見つけるべきだよ」
(トーマスが発車)

トーマス「僕が鉄道ショーに行きたがってるなんて、どうして言ったりしたのさ」
アニー&クララベル「本当のことじゃない!」
トーマス「大体、彼女は何がそんなに特別なの? 速くない、大きくない、力持ちでもない。どうしてショーに行けるのか分からないな」
クララベル「でも彼女、ボディの塗装が素敵だったわ」
アニー「そうよね。あんなに鮮やかな色で飾り付けられて」
トーマス「鮮やかな色? 君達だってちゃんとペンキが塗られてるし、どんな機関車でも塗装はしてあるよ……」
 その時、別のアイデアがトーマスの頭に浮かんだ。
(トーマスが加速)
アニー&クララベル「トーマス!」

 アシマはすっかり困り果てていた。鉄道ショーに間に合わなくてはならないのだ。
アシマ「ねえ、ごめんなさい!」
(エドワードが通過)
 でも、どっちへ行ったらいいか分からない。
アシマ「こんにちは!」
(エミリーが通過)
 知り合いもいないのだ。
アシマ「どうしよう……」

(ケルスソープ・ロード駅)
(トーマスの汽笛)
アシマ「トーマス!」
(トーマスが通過)
アシマ「待って! どこに……」
トーマス「忙しいんだ!」
アシマ「でも、メインランドへの行き方を、聞きたいだけなんだけど……」

(マロン駅)
アシマ「こんにちは。あなた達、トーマスの客車よね?」
アニー「ええそうよ。……少なくとも、さっきまではね」
クララベル「トーマスったら私達をこの側線に置いて行っちゃったの」
アシマ「物凄く急いでいたけど、どこに行ったのかしら?」
アニー&クララベル「知らないわ」

(ソドー整備工場)
ゴードン「……流線形〜……」
ケビン「ゴードン!」
(ケビンが部品を落とす)
ゴードン「……お前達、急いでくれ。でないと万国鉄道ショーの準備ができないじゃないか」
ビクター「蒸気機関車を流線形にするのは大変なんだ、ゴードン。我慢するんだな」
トーマス「ビクター!」
(トーマスが入構)
トーマス「ビクター! 君に特別な仕事があるんだ。ペンキを塗り替えてくれないかな。例えば稲妻模様に、レーシングストライプに、それから……分かるでしょ?僕をびっくりさせてよ!」
ビクター「……私達はちょっと忙しくてな……」
トーマス「大事なことなんだ、ビクター! 万国鉄道ショーのためにね!」

(ディーゼル整備工場)
 その頃、ディーゼルはとある計画を立てていた。
ディーゼル「できることは何だってしなきゃならん、パクストン」
パクストン「ああ、はい、ディーゼルさん。あなたの計画が何かまだ分からないんですが……」
ディーゼル「計画ってのはな、お前さんを俺が牽く貨車の中に紛れ込ませることだ。そうすれば俺がとても重い貨車を全部一人で引っ張っているように見えるだろう! ……俺がヘンリーより力持ちだとトップハム・ハット卿が気付けば、あいつの代わりに俺が鉄道ショーに行けるはずだ! ……
      俺はびっくりの天才だ」
パクストン「歌うんですか、ディーゼルさん?」
ディーゼル「みんな言うさ
       賑やか愉快な奴だと
       びっくりの天才
       容易いことだろ?
       みんなを驚かせるのは」
パクストン「真っ暗で何も見えません!」
ディーゼル「俺はびっくりの天才
       みんな言うさ
       賑やか愉快な奴だと
       俺はびっくりの天才
       容易いことだろ?
       みんなを驚かせるのは

       いたずらっ子 嘘つきと
       言う奴もいるかもな
       でも俺は何でもパパッと解決の
       凄腕ディーゼルさ!

       俺はびっくりの天才
       みんな言うさ
       賑やか愉快な奴だと
       俺はびっくりの天才
       上手くいくだろ?
       俺様のびっくり計画
       今度は成功させてやるぞ!

       あだ名は意地悪ディーゼル
       失敗もちょっとだけしてる
       でも俺はみんなにこう言ってる
       意地悪じゃない……
       腕白なだけさ!」
(ディーゼルが笑う)
ディーゼル「……おい、待て! 戻ってこい! 待てってば〜!」

 ソドー整備工場では、トーマスのペンキを塗り替える準備が全て整っていた。その時……。
トップハム・ハット卿「やあケビン、ビクター。ゴードンの改造がどこまで進んでいるか知りたいんだが」
トーマス「まずいぞ……今は駄目だ……」
(トーマスがペンキ等を散乱させる)
トップハム・ハット卿「トーマス!」
トーマス「……びっくりしました? あなたにお話しするつもりだったんですけど、鉄道ショーのためのいいアイデアを思い付いたんです。機関車に素敵なデザインの塗装をしたらどうかな、って」
トップハム・ハット卿「……ああ、それだよ! ベストドレッサーコンテストだ! 流石だな! ……でも、君は自分の支線にいなきゃいけないはずだろう?」

(マロン駅)
トーマス「アニー! クララベル! 戻ってきたよ! 遅くなってごめん、でもソドー整備工場に立ち寄ってて……アニー? クララベル?」
(エミリーの汽笛)
トーマス「エミリー!」
(エミリーが入構)
エミリー「トーマス! もうニュースを聞いた? トップハム・ハット卿が私に、ペンキを塗り直して装飾を……」
(ジェームスが停車)
ジェームス「やあ、二人とも! 僕がどんな話を聞いたと思う? トップハム・ハット卿が僕のペンキを塗り直したいってさ!」
エミリー「あなたもなの、ジェームス? あなたも万国鉄道ショーに行くの?」
ジェームス「ああエミリー、そうともさ。僕が行けばきっと最高のショーになるぞ!」
エミリー「まあ、凄い! 私もその予定なのよ!」
ジェームス「ねえ、どうやらトーマスも塗り直してもらったようだね。塗り方は良くなかったみたいだけど」
トーマス「……ちょっとドタバタしちゃって。どこかでアニーとクララベルを見なかった? 側線に置き去りにし……」
エミリー「さっき見たわよ。あの新しい機関車が牽いていたわ。ほら、インドから来た派手な子よ」
トーマス「アシマが?」
エミリー「そう、その子。素敵な機関車よね。さあ行きましょう、ジェームス! じゃあまたね、トーマス!」

 アシマはアニーとクララベルをトーマスの支線へ連れて帰るところだった。彼女はトーマスがするはずの仕事をしていたのだ。
(アシマがトーマスとすれ違う)
トーマス「アシマ!」
アニー&クララベル「トーマス!」
(アシマがメイスウェート駅で停車)
トーマス「フィリップの言った通りだ」
(トーマスが停車)
トーマス「君みたいな機関車は本当に厄介だよ。僕の客車を牽いて走るなんて何を考えてるの」
クララベル「『僕の客車』ですって? 私達はもうあなたの客車じゃない。私達は私達よ、そうよねアニー?」
アニー「その通りよ。あんなに急いで飛び出していくなんてどういうつもりだったの、トーマス! 私達を側線に置き去りに……」
クララベル「それもあの辺鄙な側線にね!」
アニー「マロン駅の」
クララベル「何もない、辺鄙な側線にね!」
トーマス「僕はただ……ごめんよでも、やるべきことがあったんだ」
(車掌の笛)
アニー「行きましょうアシマ、もう出発よ」
(アシマが発車)
トーマス「……ペンキを塗り替えたくて……」

トーマス「ボディに特別な塗装を施してもらえば、トップハム・ハット卿が鉄道ショーに連れて行ってくれると思ったんだ」
アシマ「どういう意味? トーマス。その……私みたいに?」
トーマス「いいや。そうじゃなくて……いや……うん。その通りだ」
(アシマが笑う)
アシマ「あなたはとっても面白いタンク機関車ね。……
     どの機関車にでも
     人と違うところがある
     自分の兄弟よりも
     変わってる子もいるよ

     あなたはあなた
     それは変えられないことよ
     だから背伸びしすぎないで
     ありのままでいいの」
トーマス「ありのままじゃ嫌だよ!」
アシマ「速く大きく力持ちなら?
     特別な車輪があるなら?
     車体が今よりも長ければ?
     鉄道ショーに行けるかしら?」
トーマス「そうだよ!
      今の僕は何もかもずんぐりだ
      煙突もボイラーもドームも
      塗装も時代遅れさ
      だからショーにも行けないんだ
      僕はこのまま
      変わることはできないのかな?
      だったら全部新しく
      やり直せたらなぁ!」
アシマ「あなたは何もかも素敵よ
     改造だってしなくてもいい
     今のままで変わらなくても
     立派な機関車でしょう?」
トーマス「僕はこのまま
      変わることはできないのかな?」
アシマ「焦らず 落ち着いて
     分かるでしょう? やり直せないってこと」
トーマス「僕はこのまま」
アシマ「あなたはあなた」
トーマス「変わることはできないのかな?」
アシマ「変えられないことよ」
トーマス「だったらみんな新しく
      やり直せたらなぁ!」
アシマ「車輪が六つでもいいのよ
     ただありのままならね」
(アシマとトーマスがナップフォード駅に停車)
アシマ「トーマス。あなた、貨車の入れ換えをするのは得意?」
トーマス「うん、大得意だよ。でも、どうしてそんなこと聞くの?」
アシマ「入れ換え競争に参加できるからよ。入れ換えが得意な機関車もみんな鉄道ショーに行くのよ」
トーマス「本当に?」

 翌朝、トーマスは上機嫌で目を覚ました。
トーマス「頑張って入れ換えをするぞ。僕が誰よりも上手いってことをトップハム・ハット卿に見せるんだ!」
 彼は仕事をするためナップフォード駅の操車場へと急いだ。
(ディーゼルの列車がトーマスの線路を塞ぐ)
トーマス「おい!」
ディーゼル「おっと、悪いな。驚かすつもりはなかったんだ、トーマス。けどまあ無理もないことさ。俺はびっくりの天才だからな」
トーマス「あの貨車は誰が引っ張るの?」
ディーゼル「勿論この俺さ。トップハム・ハット卿が到着した後で、だけどな。俺が本当はどんなに強いのか、トップハム・ハット卿に見せたいのさ」
トーマス「でも、誰も操車場に出入りできなくなっちゃうよ、ディーゼル。僕は入れ換えをしなきゃいけないんだ」
ディーゼル「我慢することを覚えるんだな、トーマス」
 だが、トーマスには我慢している時間はなかった。万国鉄道ショーの日は間近に迫っている。トップハム・ハット卿は機関車を選んでいるところだった。
(パーシーがナップフォード駅に停車)
トップハム・ハット卿「パーシー。トーマスを捜してるんだが、彼がどこにいるか知っているかね?」
パーシー「トーマスなら貨車の入れ換えのために操車場に行ったと思いますよ」

 ディーゼルが長い貨車の列を動かしてくれないので、トーマスは自分で動かすことに決めた。
アシマ「おはよう、トーマス!」
トーマス「おはよう、アシマ! 入れ換えの練習をしようと思ってるんだ。まずはこの貨車をここからどかさなきゃ」
アシマ「あら。この貨車、ひとりでに動いてるわ」
トーマス「その通りさ! 僕が一人で動かしてみせるよ!」
(トーマスの汽笛)
パクストン「ディーゼルさんの合図ですよ!」
デン「ディーゼルに汽笛が付いてたとはな」
ダート「箱の中だから汽笛みたいに聞こえただけでやんしょ?」
パクストン「さあさあ、押して!」
(トーマスが発車)
トーマス「一体どうなってるんだ? この貨車が見た目に比べて随分軽いのか、それとも貨車がひとりでに動いてるのか……! 押さないでくれよ〜!」
トップハム・ハット卿「おっと、トーマスがいた。入れ換えが得意なのは知っていたが、あんなに力持ちだとはな」
ディーゼル「トーマス! 何やってるんだ! 俺の計画を台無しにする気か〜!」
トーマス「止まれ〜!」
アシマ「トーマス! 危ない!」
(トーマスとノーマンが衝突)

(ソドー整備工場)
(エミリーが登場)
 万国鉄道ショーの日になった。トップハム・ハット卿はショーに連れて行きたい機関車を選んだ。
(ジェームスが登場)
ジェームス「ジャジャーン!」
ヘンリー「二人とも素晴らしいね!」
フィリップ「僕ちゃんも行くよ!」
(フィリップが登場)
フィリップ「ソドー島の旗を持つ役さ!」
ビクター「ゴードン、じっとしててくれ。作業員さん達が最後の安全確認をするから」
ゴードン「お前達は時間がかかりすぎだ。他の奴らは準備できてるってのに、俺はまだだ」
ビクター「ゴードン、待つんだ!」
ゴードン「いいや、待ってる暇はない。レースに勝たなきゃならないんだ」
(ゴードンが登場)
フィリップ「そりゃ何だい、ゴードン? ボディに付いてるのは」
ゴードン「これは俺の新しいエンブレムだ。もう俺の名前はゴードンじゃないぞ。たった今から俺様の名は流れ星、『シューティング・スター』だ!」
フィリップ「シューティング・スターかぁ……」
ゴードン「そうとも、おチビ君。俺の兄弟にこの姿を見せてやろうじゃないか」

 その頃ディーゼル整備工場では、ディーゼルが問題を抱えていた。
ディーゼル「引っ張っているのが俺じゃなくてトーマスだと、どうして気付かなかったんだ!」
(ディーゼルの警笛)
ディーゼル「蒸気機関車共の汽笛とは似ても似つかないはずだ。『ピィーピィー!』」
パクストン「でも木箱の中だと音がよく聞こえないんですよ、ディーゼルさん」
ダート「つまりこういう……」
ディーゼル「言い訳をするのはやめろ! 俺ならたとえ木箱の中でも音を聞き分けることが……」
(木箱がディーゼルの上に落下)
ディーゼル「出してくれ! 出してくれ!」
(ディーゼルの姿が見えなくなる)
ダート「消えちまったでやんす……」
パクストン「本当にびっくりの天才なんですね」
ディーゼル「そうじゃない! 俺を下ろせ! 下ろさないか!」
(ディーゼルが木箱ごと落下)
ディーゼル「……俺をここから出してくれ!」
(衝突音)

トップハム・ハット卿「君の万国鉄道ショーに参加したいという気持ちはみんなによく伝わったよ、トーマス」
ディーゼル(遠景)「ここから早く出してくれ〜!」
トップハム・ハット卿「だが、あんなに沢山の貨車を一人で引っ張ったのは間違いだったな。事故を起こすのも無理はないさ」
トーマス「そうですね……本当にすみません。でも、状態も見た目ほど悪くはありません」
トップハム・ハット卿「そうとも。君がそんなに力持ちだとは知らなくてね。君を入れ換え競争に参加させようと考えていたんだ」
トーマス「入れ換え競争ですか? 勿論です! ぜひ参加したいです、ありがとうございます!」
トップハム・ハット卿「だがトーマス、君はもう参加できない。修理が必要だし、他の機関車は既に準備できている」
トーマス「実を言うと、修理が必要なのはバッファーと凹みだけで、まだ入れ換えはできるんです。一番の特技ですから!」
トップハム・ハット卿「それも分かってるよ、トーマス。だが、今日の入れ換え競争ではパーシーに出場してもらう予定だ」
パーシー「僕? でも……」
トップハム・ハット卿「そうだとも、パーシー。おいで。他の機関車が待ってる」
(トップハム・ハット卿が立ち去る)
パーシー「トーマス、僕は行きたくはないよ。君の方がずっと入れ換えが上手だもん。本当にすごく残念だよ」
アシマ「私も残念だわ」
トーマス「アシマ!」
(アシマが入構)
ゴードン「早く来い、パーシー! みんな待ってるんだ」
(パーシーが発車)
アシマ「本当に物凄く不公平なことだわ。ナップフォード駅での事故はあなたのせいじゃないもの。あの貨車の様子がおかしかったせいよ」
トップハム・ハット卿「みんな準備はいいかね? 鉄道ショーに出発だ!」
(機関車達の汽笛と警笛)
アシマ「私も付いて行った方が良さそうね。また迷子になったら嫌だから。じゃあね、トーマス」
トーマス「じゃあね、アシマ。頑張って」

(ヴィカーズタウン駅)
フィリップ「S! O! D! O! R! ご一緒に! ソドー!」
(機関車達が通過)
フィリップ「さあ行くぞ、ソドーチーム! いいぞ、ソドーチーム!」

(万国鉄道ショー会場)
実況者「……さあ、ようこそ皆様! 本日は会場中を機関車が走り回ります。間もなく、至る所で驚くべき機関車達を目にすることができるようになります。ぜひとも足をお運びください。忘れられない一日となることでしょう!」
(機関車達が停車)
アシマ「さあ、着いたわ。じゃあ……頑張ってね、みんな。最高の機関車なら勝てるかも」
エミリー「ありがとう、アシマ。あなたも頑張って」
実況者「最初の種目、力比べ競争は南西の会場で午後12時半より行われます。その後、機関車による装飾パレードが1時からメイン会場を行進する予定です」
ゴードン「それで、俺が行く場所は……」
(ゴードンがフライング・スコッツマンに接近)
ゴードン「よお、兄弟」
フライング・スコッツマン「ゴードン? 君なのか? 全然気が付かなかったよ」
ゴードン「今の俺の名はシューティング・スターだ」
(フライング・スコッツマンが笑う)
フライング・スコッツマン「おかしなことを」
ゴードン「俺が大競走で勝てば、そんな減らず口も利けなくなるぞ!」

 ソドー島の整備工場では、トーマスがまだかなり心残りを感じていた。
ビクター「鉄道ショーに行けない機関車は君だけじゃないさ、トーマス。私をご覧。ここで留守番だ。他にも働いてる機関車は島中に沢山いるぞ」
ケビン「ボス、すみません」
ビクター「トップハム・ハット卿の鉄道での仕事があるからな」
ケビン「ねえ、ボス。質問があるんです」
ビクター「話を邪魔してまで、一体何だね?」
ケビン「これは、何ですか?」
ビクター「そいつはゴードンの安全弁装置だよ」
ケビン「ええ。それで思ったんですけど……」
ビクター「……ゴードンの安全弁だと! それじゃゴードンの部品は正しく組み直されてないってことだ。だから安全確認を待つよう言ったのに。もしゴードンの安全弁がちゃんと働かなければ、スピードを出したときにオーバーヒートする危険がある! 彼には今すぐこの部品が必要だ!」
トーマス「ゴードンに届けなきゃビクター、一刻も早く!」
ビクター「私は行けないよ、トーマス。彼に届けることができるのは、君だけだ!」

 そこで、まだ修理が完全に終わっていないものの、トーマスはゴードンに必要な部品を届けることになった。彼はヴィカーズタウン駅を通り過ぎ、橋へと向かった。だが、そこで問題が起きた。
トーマス「そんな!」
(ヴィカーズタウン橋が跳開開始)
トーマス「絶対に渡らなきゃ! 止まるわけにはいかないんだ〜!」
(トーマスが飛翔、対岸に着地)
トーマス「……やった!  やったぞ!」
サムソン「トーマス?」
トーマス「……まずい、こりゃ大変だぞ!」
(コナーの汽笛)
トーマス「線路を間違えたんだ!」
コナー「そこをどいてくれ!」
(トーマスとコナーが衝突回避)
(ヒロが登場)
トーマス「ヒロ〜!」
(トーマスとヒロが衝突回避)
トーマス「シドニー!」
(トーマスとシドニーが衝突回避)
トーマス「……すっかりコツを掴んだぞ」

(万国鉄道ショー)
実況者「キンドリー夫人にご連絡します。第五レーン近くの軽食販売テントまでお戻りくださいますか。キンドリー夫人にご連絡、第五レーン近くの軽食販売テントまで……」
パーシー「どうしてトップハム・ハット卿は僕を参加させたんだろう。僕なんかじゃ勝てっこないのに」
ゴードン「まあ、俺はきっと勝ってみせるけどな……」
フィリップ「大競走用の線路を見つけたよ。おいで、シューティング・スター。付いて来て!」
(ヴィニーの汽笛)
フィリップ「ごめんよ、見えなかった」
ヴィニー「ああ? 前見て走った方が身のためだぜ、チビ助。スクラップになりたくなかったらな」

 ようやくトーマスがショーに到着した。
トーマス「これは凄いや! 想像してたよりずっと大きな場所だなぁ。機関車もいっぱいいるぞ。僕はどうすれば……ゴードン? ……ゴードン!」
(トーマスが一台の機関車に接近)
トーマス「君を見つけられて良か……ゴードンじゃない?」
フリーダ「ゴードンって方に似てるのかしら? 私の名前はフリーダよ」

実況者「いよいよ一世一代の大勝負が始まろうとしています! 力比べ競争! さあ、スタートです! 誰よりも強く恐るべき機関車達が、積み荷を牽いてゴールまで突き進みます!」
パーシー「頑張って、ヘンリー! 引っ張れ、引っ張れ!」
実況者「……ピストンを一斉に動かし、山のごとき貨車を動かしています!」
(トーマスが登場)
トーマス「ゴードン! ゴードン! 戻ってきて! 君に渡さなきゃいけない物があるんだ! ゴー……」
(装飾パレードが通過)
トーマス「ゴードン! 待って!」
エミリー「トーマス? ここで何してるの?」
ジェームス「トーマス! やあ!」
トーマス「僕はその……ゴードンの所に行きたいんだ。彼に大事な物を届けなきゃ!」

フィリップ「力比べ競争の結果はどうだったの、ヘンリー?」
ヘンリー「……ぼ、僕は五位だったよ」
フィリップ「そりゃ凄いね!」
ヘンリー「出場したのは五台だけだったんだ」
実況者「たった今、わくわくするような最新ニュースが届きました。見事ベストドレッサー賞に輝いた機関車は……!」
ジェームス「ありがとう、いやあそれほどでも……」
実況者「インドの機関車!」
ジェームス「インド?」
実況者「ラジブ! 居並ぶ素晴らしい機関車の中でも、彼は想像を絶するほど華やかと言えるでしょう!」
ジェームス「本当なら、僕の方が相応しいのに」
エミリー「あら、アシマ。どうしてパレードに出なかったの?」
アシマ「私は入れ換え競争に出るのよ、エミリー。一度出場すると他の種目には出られないから」

トーマス「ヘンリー! パーシー! フィリップ!」
パーシー「トーマスだ!」
フィリップ「やあ、トーマス!」
トーマス「大至急ゴードンを見つけなきゃ。緊急事態なんだ! さっき見かけたけどまた見失っちゃった」
フィリップ「だって彼のレースはもうすぐ始まるんだもん。聞かなかった?」
フィリップ&実況者「ご来場の皆様、大競走は今から」
実況者「二分後に開始されます」
トーマス「まずい!」
パーシー「今の大声、どうやって出したの?」
トーマス「ゴードンは走れないよ、安全弁がないんだもの。ボイラーが爆発するかも!」
フィリップ「爆発だって! 大変だ……こっちだよ!」
(四台が発車)
実況者「ご来場の皆様、大競走の出場車達が今、スタート地点に整列しました」

実況者「その顔触れをご覧ください。いずれも現代の鉄道を代表する最速の機関車達です。第一レーンには、フランスのディーゼル式電気機関車エティエンヌ。彼は本日、自分が保持する世界記録を塗り替えるつもりのようです。そのお隣はスペンサー! 鉄道ファン達から割れんばかりの歓声が起こります!」
スペンサー「いやいや! ありがとう!」
実況者「メインランドで非常に有名な彼は、かつての世界記録の持ち主でもあるのです! 第三レーンには……」
フライング・スコッツマン「幸運を祈るぜ、小さな兄弟」
ゴードン「俺様には運なんてものは必要ないさ」
トーマス「ゴードン!」
(トーマスが登場)
トーマス「ゴードン! 良かった、やっと見つけた……」
ゴードン「その名前で呼ぶな! 俺の名はシューティング・スターだ」
トーマス「分かった、ごめんよゴードン、あ、じゃなかった、フォーリング・スター。でも僕の話を聞いて。ビクターが言うには、君の安全弁が正しく組み直されてないって」
ゴードン「馬鹿を言うなトーマス、そんなことしてる時間はない。レースが始まるぞ」
(スターターの笛)
ゴードン「まずい!」
(ゴードンらが発車)
トーマス「おい、ゴードン、待って! 走っちゃ駄目だ!」
(トーマスが発車)
実況者「おや、何でしょう? あそこを小さなタンク機関車が走っていますよ!」
トーマス「オーバーヒートしてボイラーが破裂しちゃうよ!」
ゴードン「トーマス、馬鹿を言うのはよしてくれ
      俺に勝てる奴なんていないさ
      遅いぞ! 俺は最高だ……
      流線形!

      ビューン! シューティング・スターのお通りだ
      ビューン! 誰も俺を止められない
      ビューン! 駆け抜ける俺様は
      青い稲妻だぞ!

      今日は俺のための晴れ舞台さ
      小癪な兄弟の鼻を明かそう
      俺は最速 そして最強!
      流線形!」
実況者「エティエンヌとスペンサーがトップを快走、しかしその後ろにシューティング・スターが迫ります! ……」
フライング・スコッツマン「ゴードン? ゴードン!」
ゴードン「俺の名はゴードンじゃない!」
フライング・スコッツマン「止まらないとまずいぞ! 言うことを聞けゴードン! 様子がおかしい!」
ゴードン「止まれない、俺は止まらないぞ!」
実況者「どうしたのでしょうか、何やらシューティング・スターに問題が発生した模様です!」
ゴードン「ビューン! シューティング・スターのお通りだ
      ビューン! 誰も俺を止められない」
実況者「もはやこれまででしょうか!」
ゴードン「駆け抜ける俺、様は……!」
(ゴードンのボイラーが破裂)
実況者「そして万事休す! ボイラーが破裂しました! スピードが落ちていきます! ……シューティング・スターはレースから脱落となります。何ということでしょう……」
ゴードン「ああ〜、全く何てこった……」

実況者「さあ先頭を走るのはスペンサー! すぐ後ろにエティエンヌ、更にベルギーのアクセルとフライング・スコッツマンが続き、選手達はゴールラインへ! スペンサーが優勝か? とここで、エティエンヌが一位に躍り出た!」
エティエンヌ「Au revoir(フランス語で『さようなら』)!」
実況者「優勝はエティエンヌ! フランスのディーゼル式電気機関車が本日この場で、鉄道におけるスピードの世界新記録を達成しました!」

エミリー「頑張って、パーシー。あなたが最後の希望よ。ソドーチームはまだどの種目でも勝ててないわ」
パーシー「いや、僕には無理だよ。すっごく心配だ。それにトーマスがここにいるなら、僕じゃなくてトーマスが入れ換え競争に出るべきだよ」
フィリップ「いたぞ! トーマス! トーマス!」
(フィリップがヴィニーに衝突)
ヴィニー「またお前か!」
フィリップ「ご、ごめんよ…」
(ヴィニーがフィリップを追う)
カルロス「こいつはfuego(スペイン語で『火』)!」
(フィリップとヴィニーが石炭ホッパー下に突入)
(ヴィニーが石炭をかぶる)
ヴィニー「この野郎、我慢の限界だ」

パーシー「……それで、操車場中に色んな種類の貨車があるんだ」
エミリー「そうよ。それを平台貨車と箱型の貨車とタンク車に分けて、三種類を側線に並べるの。それからブレーキ車を……ねえ聞いてるの、トーマス? 準備しなきゃいけないのよ」
トーマス「僕が? どうして僕なの? 出場するのは僕じゃなくてパーシーだろう?」
パーシー「トーマス、僕は出たくない。きっと負けちゃうよ」
トーマス「馬鹿言うなよ、パーシー。全力でやればどんなことでもできるさ。ただ……ありのままやればね」
パーシー「僕はありのままに思ってるよ、君こそ入れ換え競争に出るべきだって。どうか、どうか頼むよ」
トーマス「でも僕を見なよ。絶対に勝てっこないって」
エミリー「お願い、トーマス。あなたはソドーチームの最後の希望なの」
実況者「皆様、万国鉄道ショーの大事な種目がもう一つ残っております!」
トーマス「……よし、やってみるよ。でも……僕も負けちゃうかも」
パーシー「君が? けど、君が負けるはずないよ。そうでしょ、トーマス?」

実況者「入れ換え競争! 貨車やブレーキ車が線路上に並べられ、入れ換えの準備が整いました! 今、全ての機関車が整列。ここでは素早い判断力と瞬発力が問われます!」
アシマ「トーマス!  あなたも出るのね!」
エミリー「集中して、トーマス! 競争が始まるわ。これがソドーチームの最後のチャンスなの!」
(スターターの笛)
ヘンリー「トーマス、君ならできる!」
エミリー「貨車よ! 平台貨車を取りに行くの!  あそこ!」
ラウル「ポイント!」
(ラウルがトーマスの線路に割り込む)
トーマス「おい、僕が押そうとしてたのに!」
アシマ「これはただの入れ換えじゃない、競争なのよ! ……ポイント!」
アイヴァン「ポイント!」
ジーナ「ポイント!」
トーマス「……ポイント!」
エミリー「そうよ、トーマス! あなたならできるわ!」
トーマス「ポイント!」
ヘンリー「いいぞ!」
アシマ「ポイント!」
実況者「アシマ!」
ラウル「ポイント!」
実況者「ラウル! ……トーマス! そしてトーマス! またしてもトーマス! ご覧ください! 小さな青いタンク機関車トーマスが優勢です!」
パーシー「トーマス!」
エミリー「その調子!」
実況者「おっと、線路上に別の機関車が……」
(フィリップがトーマスの前を通過)
トーマス「一体何をしてるの!」
フィリップ「逃げるところなんだ! ポイント!」
実況者「更にもう一台!」
(ヴィニーがフィリップを突き飛ばす)
トーマス「フィリップ!  危ない!」
ヴィニー「おやおや、チビ助。お前のせいで競争が中断されちまったみたいだな」
フィリップ「そ、そうだね、ででででもこれ実はほ、本物の競争じゃないんだ……僕ちゃん、本物の競争は凄く得意なんだよ……シューティング・スターみたいにね……」
(トーマスがヴィニーと連結)
トーマス「僕の友達から離れるんだ!  このいじめっ子め!」
ヴィニー「つまり、俺と綱引きをしようってわけだな?」
(アシマがトーマスと連結)
アシマ「そうよ!  引っ張って、トーマス!」
ヴィニー「おい、もう参った!」
トーマス「ポイント!」
(ポイントが切り替わる)
トーマス「行くんだフィリップ!」
(フィリップが発車)
(連結が外れヴィニーが脱線、送電塔に衝突)
ヴィニー「誰か助けてくれ!」
フィリップ「ざまあ見ろ、いじめっ子!」
アシマ「トーマス! 危ない!」
(送電塔が倒壊)
トーマス「……ありがとう」
アシマ「お礼なんていいわ、トーマス。まだ私は入れ換え競争であなたに勝つつもりだからね」
トーマス「そうはさせないぞ!」
アシマ「負けないわ!」
ヴィニー「おい、俺をここから出してくれよ。なあ?」

アイヴァン「ポイント!」
ジーナ「ポイント!」
ラウル「ポイント!」
アシマ「ポイント!」
トーマス「ポイント!」
フィリップ「行け、トーマス!」
アシマ「あとはブレーキ車だけだわ!」
トーマス「僕だってそうさ!」
実況者「トーマスとアシマが残すは最後の貨車のみとなった模様です!」
トーマス&アシマ「ポイント!」
実況者「先に貨車を並べた方の機関車が優勝となります! ソドー島の青いタンク機関車トーマスが優勝を……」
トーマス「アシマ、気を付けて!  線路が塞がれてるよ! ポイント! ポイント!」
実況者「おや、トーマスがポイントを切り替えました!」
アシマ「トーマス! 何をしてるの?」
ソドー島の機関車達「駄目だ、トーマス!」
実況者「信じられません! トーマスのブレーキ車が線路上の貨車に激突! アシマがリードし、そして先に辿り着きました! インド出身のタンク機関車が……」
エミリー「トーマスが勝ってたのに!」
フィリップ「だから厄介だって言ったんだ……」
実況者「何と驚くべき結末でしょう! 最後の最後で、ソドー島のタンク機関車トーマスは、色鮮やかな機関車アシマに敗北を喫しました!」
アシマ「トーマス、あなた……私を勝たせたの?」
トーマス「分かってる、けど……あれは不公平だったよ。君の線路は塞がれてたんだから」
アシマ「でも、あなたが優勝してもおかしくなかったわ」
実況者「少々お待ちください。審査員の方から結果について意見があるようです。皆様、これは大変異例なことですが、審査員の方が特別な発表をします」
審査員「我々は、入れ換え競争の最後の瞬間に起きた珍しい出来事を考慮し、優勝者を二台にしたいと思います! インドのタンク機関車アシマ! 彼女は最高のスピードで競争を制しました。そして、自分を犠牲にして他の機関車を助けた努力を考慮し……ソドー島のタンク機関車トーマス!」
アシマ「本当におめでとう、トーマス!」
トーマス「君も本当におめでとう!」
トップハム・ハット卿「おい、トーマス!」
(トップハム・ハット卿が登場)
トップハム・ハット卿「私は入れ換え競争が始まるまで君がここにいることを知らなかったぞ」
トーマス「僕はゴードンの安全弁を届けに来ただけなんです、でも遅すぎました。それから、パーシーに代わりに出場してくれるよう頼まれて……」
トップハム・ハット卿「ではつまり、君は役に立とうとしていた、そう言いたいんだな? それならば、本当におめでとう、トーマス!」
ソドー島の機関車達「やった〜! おめでとう!」
パーシー「トーマスはとにかくありのままに頑張ってたんですよ」
トーマス「あなたはあなた
      それは変えられないことさ……
あれ、アシマはどこ? さよならも言わずに……」
実況者「……さてご来場の皆様、これにて本日の種目は全て終了となりました。ですがまだ……」
フライング・スコッツマン「よお、シューティング・スター」
ゴードン「ゴードンと呼んでくれないか。この流線形の姿にはもううんざりしてるんだ」
フライング・スコッツマン「レースの結果は残念だったな。だが小さな兄弟、君達ソドー島の機関車は強者揃いだったと思うぜ」
ゴードン「どうしてお前はいつも俺を小さな兄弟と呼ぶんだ! 大きさは同じなのに!」

フィリップ「あちこち捜したけど、見つからないよ」
エミリー「どこにいるのか分からないわ」
(ゴードンが停車)
トップハム・ハット卿「よーし機関車諸君、ボイラーと石炭入れを満タンにしてくれ。もうソドー島に帰る時間だ。鉄道の仕事に戻らないとな」
エミリー「分かりました」
フィリップ「勿論です」
(機関車達が発車)
(アシマの歌声)
(トーマスが停車)
トーマス「アシマ。てっきり行っちゃったかと、思ったよ」
アシマ「私がさよならも言わずにいなくなるわけないでしょ? でも、もう船に乗って故郷に戻らなきゃ」
トーマス「けどそれなら、まださよならは言わなくていいよ。君はソドー島に戻って、そこから船に乗ればいいんだ! 船はブレンダムの港に泊まるからね!」
アシマ「いい考えね! あなた、賢いわ。たまにね」
トーマス「僕は僕だ
      それは変えられないことさ
      自分らしくありのまま
      頑張ればいいんだね」
アシマ「パワーやスピードがなくたって
     車輪が六つだけだって」
トーマス「車体がちょっと小さくたって
      自分らしさは宝物」
一同「ありのままでいいんだよ
    大事なことさ
    ありのままでいいんだよ
    大事なことさ

    パワーやスピードがなくたって
    車輪が六つだけだって
    車体がちょっと小さくたって
    自分らしさは宝物
    ありのままでいいんだよ
    大事なことさ
    ありのままでいいんだよ
    大事なことさ」

(エンドクレジット)
パクストン「じゃあこれを持ち上げて、クランキーさん」
(クランキーが木箱を持ち上げる)
パクストン「……違います。その箱の下じゃないみたい」
クランキー「やれやれ……」
パクストン「これは?」
クランキー「そいつがきっとそうだ」
(クランキーが木箱を持ち上げる)
パクストン「いや、こっちも違いますね」
クランキー「本当にあいつはここに来たのか?」
パクストン「ええ。彼の跡を追ってるんです。皆さん、喋る木箱を捜して」
デン&ダート「ディーゼル!」
クランキー「待てよ! おい、どこへ行く……」
デン「ディーゼル!」
ダート「あっしでやんす。ディーゼル!」
パクストン「ディーゼルさん? 返事をして、ディーゼルさん!」
デン「ディーゼル!」


ディーゼル「俺はこっちだ〜!」
(ディーゼルを載せた船が出港)
ディーゼル「……俺は、びっくりの天才だぁ……!」

奴はびっくりの天才
いつもそうさ
賑やか愉快な奴だよ
奴はびっくりの天才
容易いことだろ?
みんなを驚かせるのは

いたずらっ子 嘘つきと
言う人もいるかもね
でも奴は何でもパパッと解決の
凄腕ディーゼルさ!

奴はびっくりの天才
いつもそうさ
賑やか愉快な奴だよ
奴はびっくりの天才
上手くいくだろ?
奴だけのびっくり計画
今度は成功するといいな!

あだ名は意地悪ディーゼル
失敗もちょっとだけしてる
でもきっとみんなも信じてる
意地悪じゃない……
腕白なだけさ!
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コメント

非公開コメント

Konkon

どうも管理人です。
きかんしゃトーマスが好きなだけの一般人。よろしくお願いします。